JBUパワーバンク第3期講座を開催しました。

第3期基礎講座を終了し、次のステップを検討しています。

第3期基礎講座が2008年12月に終了しました。(09年2月の第6回中央委員会ダイジェスト活動経過報告11ページに記載PDF)

受講者は、自分の居住している都道府県の地域防災計画(総務省消防庁HPの地域防災計画データベース http://www.fdma.go.jp/chiikibousai/)の中にある震災対策や地震対策等の章立てにある「被害想定」について、事前に学習し研修に臨みました。

中コース

東コース

西コース

実際の基礎講座では、大きく分けて次の5つのことを学びました。

第一に、過去の災害事例について学びました。

  • 主な事例、阪神・淡路大震災

第二に、日本の災害対策の基本について学びました。

  • 政府・自治体による災害対策の基本
  • 今後、想定される地震による被害

第三に、災害ボランティアの理論的基礎について学びました。

  • 災害ボランティアの基本精神
  • 災害ボランティアのボランティア論
  • 災害ボランティアのリーダーシップ論

第四に、災害ボランティアの災害時の活動に求められる現場力について学びました。

  • 活動時の判断力-クロスロードゲーム
  • 災害時の活動の実際-ロールプレイング、グループワーク  
  • 活動時の安全衛生

第五に、災害ボランティアの平常時の活動について学びました。

  • 主な事例、セーフティリーダーの地域活動

具体的な研修内容は以下の通りです。

JBUパワーバンク第3期基礎研修(東コースの例)

第1日目

時間 内容 講師
14:00~14:50 【オリエンテーション】
□JBUパワーバンク活動の説明
□開会挨拶
JBU事務局
□基礎研修全体の説明
□研修前テスト
推進委員会事務局
天寺 純香
15:00~15:50

【災害事例と災害対策の基本を学ぶ】50分
□「救えたはずの生命」

DVD上映
16:00~17:30 【講義】90分
□わが身わが命は自分で守る
推進委員会事務局長
澤野 次郎
17:40~19:10 【グループワーク】90分
□災害時の判断力 クロスロード
推進委員会事務局
天寺 純香
19:30~ 懇親会  

第2日目

時間 内容 講師
9:00~9:50 【グループワーク】50分 
□災害被害想定 事前学習の発表
推進委員会事務局
天寺 純香
10:00~11:30 【講義】90分
□災害時の実際の活動
ふくい災害ボランティアネット
松森 和人
11:30~12:30 昼食休憩
12:30~16:10 【ロールプレイング・前半】220分 
□被災地での活動
16:30~17:30 【講義】60分
□災害ボランティア活動時の安全衛生
NPO日本ファーストエイドソサェティ
岡野谷 純

第3日目

時間 内容 講師
9:00~10:00 【講義】60分
□災害ボランティアの平常時の活動
推進委員会セーフティリーダー
深味 肇
10:10~11:10 【講義】60分
□災害にどう立ち向かうのか
東京消防庁OB
坂本 光男
11:20~12:00 □確認テスト・解説 推進委員会事務局
□感想文等
□閉会挨拶、修了証授与
JBU事務局

参加者の評価等を今後の活動に生かしていきたいと思います。

基礎講座の中では時間、場所の制約がある関係で、応急手当、簡易救出、初期消火の実技講習は実施しませんでしたが、これらの技能は地域に根ざした災害ボランティア活動を行なう上で、また災害現場において人を救うために実際に求められる能力です。基礎講座修了後に、各地域の活動の中で学ぶことを考えていきます。

今後のスケジュール、教育の体系は以下の通りです。

教育の体系

  「基礎講座(導入教育)」 「基本教育・訓練」 「上級講座(リーダー教育)」
目的 取り組みの説明および災害救援ボランティアや防災の基本等について学び、この導入教育の修了をもってパワーバンク登録とする パワーバンクメンバーのモチベーション維持やスキルアップをねらいとし、資格取得の奨励といった観点も含め各地域における防災機関等との連携もしながら、実技研修・訓練を実施する リーダー育成を目的とし、ボランティア活動についてはもとより、統制のとり方や緊急時の対応などレベルアップをはかる
主催 産別本部主催の集合教育
(全国3会場程度)
各県本部毎の集合教育
(登録規模によりブロック単位での開催とする)
産別本部主催の集合教育
(全国2会場程度)
対象 全登録予定者 全登録者 登録者の内、各県本部から2~3名程度
頻度 新規募集毎 2回/年 程度 1回/2年 程度
日程 原則3日間(2泊3日) 原則1日研修 原則3日間(2泊3日)

参加者の評価

DVD『救えたはずの生命』 西 合計
①大変参考になった 73% 57% 75% 68%
②まあまあ参考になった 21% 32% 15% 23%
③どちらとも言えない 4% 11% 10% 8%
④あまり参考にならなかった 2% 0% 0% 1%
『わが身わが命は自分で守る』 西 合計
①大変参考になった 88% 66% 67% 73%
②まあまあ参考になった 10% 32% 29% 24%
③どちらとも言えない 2% 2% 4% 3%
④あまり参考にならなかった 0% 0% 0% 0%
グループワーク『災害時の判断力 クロスロード』 西 合計
①大変参考になった 75% 71% 88% 79%
②まあまあ参考になった 25% 20% 8% 17%
③どちらとも言えない 0% 9% 4% 4%
④あまり参考にならなかった 0% 0% 0% 0%
事前学習の発表『災害被害想定』 西 合計
①大変参考になった 32% 27% 28% 29%
②まあまあ参考になった 56% 48% 46% 50%
③どちらとも言えない 10% 20% 24% 18%
④あまり参考にならなかった 2% 5% 2% 3%
『災害時の実際の活動』 西 合計
①大変参考になった 90% 66% 71% 75%
②まあまあ参考になった 10% 30% 29% 23%
③どちらとも言えない 0% 2% 0% 1%
④あまり参考にならなかった 0% 2% 0% 1%
ロールプレイング『被災地での活動』 西 合計
①大変参考になった 83% 87% 75% 82%
②まあまあ参考になった 15% 11% 25% 17%
③どちらとも言えない 2% 2% 0% 1%
④あまり参考にならなかった 0% 0% 0% 0%
『災害ボランティア活動時の安全衛生』 西 合計
①大変参考になった 40% 53% 74% 55%
②まあまあ参考になった 44% 43% 22% 37%
③どちらとも言えない 16% 4% 4% 8%
④あまり参考にならなかった 0% 0% 0% 0%
『災害ボランティアの平常時の活動』 西 合計
①大変参考になった 48% 50% 32% 43%
②まあまあ参考になった 40% 45% 51% 46%
③どちらとも言えない 10% 5% 15% 10%
④あまり参考にならなかった 2% 0% 2% 1%
『災害にどう立ち向かうのか』 西 合計
①大変参考になった 46% 34% 51% 44%
②まあまあ参考になった 50% 32% 41% 40%
③どちらとも言えない 4% 23% 6% 11%
④あまり参考にならなかった 0% 11% 2% 5%

参加者の意見

○研修を終えて

  • 実際に現場を体験した先生の授業はとても参考になった
  • ボランティアの基本である、まずは自分の身は自分で守ることの重要性を学んだ
  • 災害におけるリーダーシップの重要性を理解した
  • ボランティアに対する考え方が変わった。災害ボランティアの基本的な心得を学んだ
  • 大事なことを繰り返し、頭に入れることができた
  • 災害に対する危機感と意識付けを向上させることができた
  • 受講前に自分自身の防災意識について考えて参加する必要がある
  • 生半可な気持ちでは逆に迷惑をかけてしまう。まずは自分にできること(自分の家、地域の減災など)からはじめたいと思う。
  • 人命救助や患者のケア、避難所での活動だけでなく、実際は災害後の片付けや被災者からの要請など様々な活動があることを知りました。松森先生の実体験は、ボランティアの大変さと、やり遂げた充実感を切に感じました。

○日程、時間割、施設について

  • 適切な授業、時間配分であり、とても勉強(参考)になった
  • ロールプレイングや実技など、より実践的な内容の時間を増やしてほしい

全体総括

  • 実際に現場で活躍している講師が、講義やアクティビティを通してボランティアの基礎を教えており、研修内容に対する満足度は非常に高い。特に、グループワーク及びロールプレイングは約8割の参加者が「大変参考になった」と答えている
  • 基礎講座のテーマである「ボランティアの基本はわが身を守ること」について、多くの人が、その意味と重要性を理解することができた。
  • 多くの参加者が、今回の研修を活かして、何らかのアクションをとりたいと答えている。
  • 実技等を望む声はあるが、災害ボランティアの基礎を学ぶという点からは、座学も必要である。